見捨てられた氷河期世代

年収マウントがウザい 氷河期世代

世の中には年収の高低で人の価値を判断したり優劣をつけたがる社会の風潮がありますね。
さらにはマトモな就職も出来ず、今も低年収で苦しんでいる方たちが多いであろう氷河期世代にスポットを当てて考えてみました。

平均年収と生活レベル

平均年収は2022年3月時点で約445万と言われていますが、これは働く人の性別や業種、地域によって異なりますし、そもそも統計をとっている会社の規模にも依存してきます。

平均年収は基本給がベースになっているらしく、残業代などの変動費は含まれないとのこと。
よく残業代まで入れて年収自慢をする輩がいて残業を誇るのもどうかと思っていましたが、なるほど納得です。また働き方改革が進み、残業規制が厳しくなってきた昨今において、残業代で稼ぐのは今後の時代において現実的ではないでしょう。

また一部の超高額所得者に引っ張られ、実態との乖離が大きくなる平均値より、中央値(昇順または降順で順番に並べた際の真ん中の値)を参考にすべきとの話もあり、中央値を計算すると約396万と更に下がります。

他人がいくら貰っているかを気にする世の中の人は多いとは思いますが、そもそも預貯金額と一緒で生活環境やレベル、家族構成などにより必要となる収入の額は異なってきます。

個人レベルなら参考にすらなりません。年収200万だって生活レベルによっては十分ですし、それで満足しているなら、他人にとやかく言われる筋合いはないでしょう。
まして今のご時世、年収なんか高くても、その分を税金でとられていくだけ、仕事へのやる気もそがれます。

満足ある生活が出来れば年収は相応で良い

年収がいくら以上あれば凄いとか、不足しているとか。挙句には年収の高い方が個人の能力があるとか・・ハッキリ言って関係ないです。年収の高低は業種によります。また世代にもよるでしょうね。

ほんと皆、優劣をつけたがるのが好きですよね。年収マウントは分かり易い一例だと思います。

各個人が各々の満足できる生活を出来るだけの収入があれば、それで良いのではないでしょうか。
まして今年が年収1000万だったとしても、所属する会社や組織のビジネスが上手くいかずリストラなどが始まってしまえば、転職などを余儀なくされ、年収は半分又はそれ以上に減額してしまう可能性だってあります。

まあネガティブな考えをしていても仕方がないとはいえ、例えば35年住宅ローンとか組む人とかを見ると、楽観的すぎない?35年も安泰だと思っているの?とかツッコミたくなります。
実際は繰り上げ返済とかで、もっと短期間で返済するのでしょうけど、今の時代は10年後すら想像がつきませんからね。

個人的には、もはや年収なんかより、自分の満足できるライフスタイルと両立できる仕事がしたいなと思ってきた40代。正直なところ、今の年収の1/3で十分なので、ゆっくりした仕事につきたい。

見捨てられた氷河期世代

ところで、こういう雇用と年収の話をしたとき、切り離せないのが氷河期世代の悲哀。我々就職氷河期世代は、情勢的に完全に見捨てられています。まあ世代だけの影響で終わるなら、それほど問題ないかもしれませんが、今、世の中を賑わせている少子化、そしてそれに伴う社会保障費の高騰も我々世代に原因があるといってもオカシくない。

つまり我々世代が結婚し子供を作れなかったことが、大きく影響しています。少子化になれば、高齢者を支える人口が減少し社会保障費が増大、国力が低下していくのは当然のことです。

氷河期世代の同志たちならば共感してくれるかと思いますが、我々世代は「自己責任論」に苦しめられた世代。年収が少ないのは、その人の努力不足だとか行動力が足らないとか、今も昔も言いたい放題されています。しかし、そんな単純なものではありません。

世の中の一部の実力者やスーパーエリートを望いた9割以上を占める凡人たちは、努力ではどうしようもない社会環境に身をおくことを余儀なくされ、苦しめられました。

不況による経営悪化を理由として、有効求人倍率が1を切っていた時代。大企業のみならず中小ですら求人を絞ったため、限られた席を奪い合いました。
この時代では派遣法の改正など労働者達にとってお世辞にも改善とは言えない、経営者目線で大きく変革された労働環境の中で、それでも歯を食いしばって耐えなければならなかった労働者たる氷河期世代。

新卒カードを利用しても就職もままならない状況では、離職や転職といった考えにも中々至りません。
ブラック企業が跋扈する理不尽極まる過酷な環境の中、それでも必死に会社にしがみつき、健康を害した人、精神を壊した人も大勢いたことでしょう。

そうした我々の悲惨さを、バブル世代の逃げ切り世代に語られたくはありません。また働き方改革による労働環境の改善に守られてブラックな職場とも対等な立場で戦える権利を得た若い子たちにも、恐らく我々世代の悲哀は理解できないでしょう。

労働環境についてのニュースで電通での事件が話題になっていましたが、あんなの一昔前はそこら中で起きていたでしょうね・・報道されなかっただけで。

会社の会議中に部下に「いますぐビルから飛び降りろ」とか叱責した人間が認められ、政治家になれた時代ですよ?キ〇ガイですね。むしろ我々世代の犠牲の歴史があって、働き方改革が出来たといっても過言ではない・・感謝してほしい。

私は何とか耐えてきた気がしますが、もはや希望と気力は失っていますね、正直疲れた(笑)
ちなみに就職氷河期の影響は継続中で、現在進行形で同世代の同僚の少なさに苦しんでいます。上の世代はそのうち一斉に抜けていくし、若い子たちとは大きく年齢やキャリアが離れており、中堅がいないという惨状であっても、業務は回さなければならない毎日。

政治的にも社会的にも抹殺された世代

どんな世代であっても関係なく、世代に応じた悩みや困難な部分はあると思いますが、ここまで政治的に、そして社会的に抑圧され、不利益とビハインドを背負い、無慈悲に抹殺された世代は他にないのではないでしょうか。
もちろん普通に生活している氷河期世代の人達もたくさんいます。よって、あくまで氷河期世代の一つの参考意見としてですが。

高齢者への風当たりも少しずつ出てきた昨今で、あと数十年後に続々と高齢者になる我らロスジェネ世代。恐らくその頃、今度は高齢者として邪魔者扱いされるのでしょうね。ほんと未来にも希望がありません。

ちなみに一時期ニュースで話題になっていた、鳴り物入りの就職氷河期世代への救済政策。某ウィルスのせいで、いつの間にか忘れられてます(笑)
少し調べてみたら、2022年度で氷河期世代の事業支援として207億を計上したとのこと。ちなみに2022年度のコロナ感染防止対策は5兆円ですよ・・

もはやマトモに取り組む気すらないのか・・ただのアピールですね。
額が違いすぎるだろ、バカじゃねーの。